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♦ バイオメカニクス論レポート課題A

貴方は遺伝子応用技術についてどの様に考えるか(どの様な問題があり、何故 それらが問題となるのか、その事に関してどの様に考えるか)レポ−ト形式に 纏めて提出して下さい。A4用紙2枚程度(1枚:45文字×50行)記載して下 さい。提出期限は5月9日とし、メール(text形式で本文に貼り付ける)で送 付して下さい。但し、添付fileでは提出しないこと。

 遺伝子応用技術が注目されている.遺伝子応用技術は生物学研究分野だけでなく,医療
分野や犯罪捜査などにいたるまで幅広く利用されている.それらの遺伝子応用技術の中で,
最も一般人に関わってくる事例に,遺伝子組み換え食品がある.遺伝子組換え食品に関す
る記事を頻繁に目にするのは,世間に注目されている証だろう.今回は,遺伝子組み換え
食品を例に上げる.

 遺伝子を組み換えることにより,今までになかった特性を生物に与える.遺伝子組換え
とは,ある生物から特定の遺伝子を採取して別の生物に組み込むことにより,組み込また
生物に,目的とする有用な作用を発現させ,または組み込まれた生物の不都合な遺伝子の
働きを抑止させる技術である.太古の昔から行われてきた農作物の種改良法である「交
配」との相違点は,動物や植物,あるいは微生物といった,種の壁を超えた掛け合わせが
可能であることである.また,幾世代もかけて少しずつ改良を重ねる方法と違い,比較的
短時間で成果を得られるといった点も大きな違いである.
 その遺伝子組換えの技術を農作物に適用する事により,農作物に除草剤や殺虫剤に対す
る耐性を与え,または疫病などに元々強い品種を作る事ができる.作物の生産に使用する
農薬の種類や量を減らし,収穫する作物の農薬汚染を低減し,摂取する人間や家畜への影
響を減らす事ができる.また,使用する農薬を減らすことにより,農作に必要な費用も節
約できる.それらは作物の生産性,生産量の増加につながる.また,農作業を行う人間自
体の農薬による影響も低減する事ができる.農業に遺伝子応用技術を適用すると,以上の
様な利点がある.しかし現在の日本においては,消費者や農業従事者から,それらの技術
を利用して生産した作物を実際に摂取や栽培することに疑問を抱く意見が少なからず存在
しているのが現状である.

 遺伝子組換え作物は危険である.といった意見がある.人工的に遺伝子を組み換えた作
物が人体に影響を及ぼさないか疑問である.というのが遺伝子組換え作物に対する否定的
な意見の主旨のようである.官庁が安全であると認め,国内での販売が認可されている商
品に対して,人体や環境に重大な危険性があるという意見が発せられているのである.
現状として,遺伝子組み換え食品の生産者の意思や,思惑に対して消費者の支持や理解が
今ひとつ得られていない現状がある.現在ではトウモロコシや大豆などを始めとする遺伝
子組換え作物が実際に流通しているが,上記したように消費者の理解,支持が完全に得ら
れていない事は紛れも無い事実である.この事は遺伝子応用技術にまつわる問題点のひと
つであると考える.

 スーパなどを回ると,遺伝子組換え作物を使用している,していない等の表示がされて
いる商品がある.これは消費者側からの要求により,遺伝子組換え作物を利用している商
品を食べるか,遺伝子組換え作物を使用していない商品を食べるかの選択を与えるもので
ある.遺伝子組換え作物を食用に使用することに対する反対する人々の唱える「遺伝子組
換え食品の危険性」として,「摂取すると人体に何らかの影響が出る可能性がある」等で
あるが,これらのような害が実際に発現したとしたら,実際に被害を受けるのは紛れもな
く消費者である.これらを心配する消費者は,摂取するものを選択する事を実践したがっ
ている.管轄である官庁は,販売を許可した農作物については人体には影響は無い,とし
ているが,危険性は捨てきれないという反対派の意見も根強い.納得できていない消費者
が存在するという現状は,社会の仕組みとして健全な形でないと考える.

 1950年,世界人口はは25億人であった.37年間で2倍の52億人に達し,現在では63億人
にまで増加している.今後も1年間に1億人弱のペースで増えつづけ,2025年には80億人に,
2050年には93億人に達するといわれている.これに対し世界の穀物生産量は,1960年前半
まで10億トン弱だったが,耕地面積の拡大・農業用機具の進歩や,「緑の革命」と呼ばれ
る多収穫品種の開発・普及等により,1980年中盤には18億トンに達した.しかし,世界規
模での都市化現象他による収穫面積の減少を原因として,1985年以降は世界人口の増加に
対し,穀物生産量の増加は伸び悩んでいる.増加する人口に,いつか食料供給が追いつか
なくなることは明白であった.さらに環境問題が取り沙汰された時代背景において,農薬
量を低下させつつ生産性を向上させるために有力な,遺伝子組換え技術による農作物の品
種改良が頻繁に取り組まれるようになったのである.その後,1994年に「日持ちの良いト
マト」フレイバーセイバーの発表を皮切りに,除草剤耐性トウモロコシ・大豆,害虫抵抗
性トウモロコシなど,様々な遺伝子組換え食品が主に米国から作成され,その一部は日本
でも認可されている.
 
 このようにして遺伝子組換え食品は,消費者の所まで届いた.安全性については米国は
無論の事,国内でも研究が盛んに行われているが,L−トリプトファン事件や除草剤耐性
の遺伝子組み換え作物で枯れない雑草が出現といった報告から,消費者からは反対論・不
安論が上がっている.それらを列挙すると
・	導入した遺伝子がどこに入るか不明で偶然頼り
・	再現性がないから科学ではない
・	どこに入ったからわからないのでは影響が不明
・	改良の対象となる作物の遺伝子,機能も未解明
・	事故が起きると取り返しがつかない
・	環境に放出されると繁殖する恐れ
・	遺伝子組み換え食品を食べ続けて大丈夫か
・	害虫が死ぬような遺伝子組み換え作物は安全か
などがある.

 これらのクレームに対して生産側は,解答と対応をしている.しかし,消費者の不安は
根強い.実際,組み換えた遺伝子がどこに入るかはっきりとは分からないなど,未だ不完
全な部分の残る技術ではある.そういった部分があるから不安があるのだろうと考える.
さらに「遺伝子工学」といった一般人には馴染みの無い分野であるために,不安感が増長
されていると考える.また,マスメディアによる不安を掻き立てるような報道による影響
が大きいのではないかと考える.不安を与えたり,大衆を煽ったり,を目的とするような
報道が多い事は事実であろう.基礎知識を飛ばして問題点ばかり提示する報道により,不
安ばかりが蓄積されているのではないだろうか.遺伝子組換え食品に対する反対意見には
「DNAを食べても大丈夫なのか」とといったものも含まれていると聞く.

 安心できないから食する訳にはいかない,それも選択肢である.日本農林規格により,
一部ではあるが遺伝子組換え食品に対する表示の義務化がなされた(これの基準に対して
も多くのクレームがある).しかし,避けられない現実がある.前述したように人口増加
と食糧問題がある.このままの人口増加と食糧生産の伸び悩みが続けば,食料は必ず枯渇
する.実際に現在も8億人が飢餓にあると言われている.遺伝子組換え食品の流通にはそ
れを回避する能力があると言われている.しかし,それほど全世界の農業地帯にまで広が
ってはいない現状である.遺伝子組換えをした種子も品種によってはいまだ高価である.
国内における食料自給率が悲惨な値を示す日本には,輸入が命の綱である.そして最大の
輸入先は遺伝子操作大国・アメリカである.諦めて,遺伝子組換えを気にするなと言うわ
けではない.日本は多くを自国の目の届かない他国から輸入している.だからこそ,その
輸入品には細心の注意を払うべきだと考える.遺伝子組換え食品もそうだが,それ以外の
食品に対しても安全検査は慎重に行われていくべきである.遺伝子組換えでなくても,人
体に影響のある農薬をふんだんに使用した作物が人体に害を及ぼすのは明白である.

 全世界で生産されている穀物を人口あたりに換算すると,実際は全員を養える量に匹敵
する.しかし,飢餓に陥る人々は現在も多く存在している.たとえばトウモロコシは年間
6億トン生産されるがそのうち4億トンは家畜飼料となり,人への恩恵となる.家畜の肉を
1キロ増やすのにはトウモロコシ8キロが必要だと言われる.一般的な国の発展には,食文
化の肉食化が付随する.実際に中国では,現在急速な肉食化が進んでいる.他にも第2国・
第3国はこれから肉食化しながら発展していく国が多々あると言われる.食肉の消費拡大
は穀物の消費拡大となる.穀物はさらに不足していくだろう.
 だからといって先進国が発展した社会を意図的に逆戻りさせるのは,はっきり言って不
可能であると思う.一方で豊かな社会を保つ,一方で豊かな社会を作り上げていく.それ
を望むなら遺伝子組換え作物は必要なものであると思う.ただし,安全検査については,
厳正に,正確に行われていく必要があると考える.

 安全性が信頼しきれていないから,現段階では利用わけにはいかないと言う.安全とい
うのは異常が起こらないと言うことであり,悪影響・危険性が存在しないと言うことであ
る.『これに危険性が無い事を証明しなさい』といった命題は,悪魔の証明であり不可能
である.これは遺伝子組換え食品に限ったことではない.他の遺伝子応用技術も含む,発
展途上の技術が,証明しきれない安全性と一体になってこちらに向かってくる.使用を避
けられない現実があるならば,使用するべきである.ただ,それぞれが正しい知識のもと,
監視しあう事こそが重要なのだろうと考える.

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